
コミュニケーション能力
昨日作った板皿と
見本用のお皿の仕上げ。
ロクロで作った平皿の削り仕上げ。
が、本日のメニューです。
ロクロの削りは
「前世はこけし職人だったに違いない」って思うほど早くて楽しい。
ですが
板皿の仕上げは時間、かかります。
板作りって
簡単そうに見えるし
実際、成型時は簡単かもしれないけれど
「完成度」を考えたら
一番難しい技法だと思っています。
なので。
決してなめたわけじゃないのですが。
見本用のお皿、あまり芳しくなく。
(しゅん、、、)
(写真は色見本で出しているもの)
こんなとき
師匠・板橋廣美さんが何かに書いていた言葉を思い出します。
「大切なのは "感じさせるものを作ること"
それにはまず土を感じなければ。
例えば、無理に土をねじ伏せるとヒビが入ったり割れたりする。
それは土の"意思"。
じゃあ、割れないようにするにはどうするか。
そう考えたとき、はじめて土を理解しようという気持ちが生まれる」
さらにおもしろいのは
「土との付き合いって、人間関係とよく似てる。
自分の我を通そうとすると、すぐに裏切られる」
ああ、わたしったら我を通してしまったのかしら(笑)
これからはコミュニケーション力を養わねばかな?
などと思っていたら
「なっちゃ~ん」と呼ぶ声が。
窓を開けて下を見ると幼なじみのOちゃんがいます(←下町です
築地で働いているOちゃんは
いつも会社でもらった魚介類や加工品を持ってきてくれます。
今日は「アジの干物」や「くらげ」「海鮮団子」などなどをどっさり。
明るいOちゃんとひとしきりお話したお蔭で
元気までもらえたました。
で
ひとりになって「アジ」を見て思いました。
ああ、「見本だ」って思って作ってるからダメなんだって。
板橋先生に教わった「感じさせるものつくり」は
わたしが作っているような器の場合
見た人に「あ~、あれをのせたらいいだろうな~」って
感じてもらえるかどうかです。
教えていただいてから
常にそう思って作ってきたと思います。
でも
今回は注文であることや(自分が使うところを想像していなかった)
あくまで見本、って気持ちがあって
どこか抜け落ちていたのでしょう。
まさに「土を感じて」いなかったのかもしれません。
いつも言うことですが
土は、本当に正直です。
よしっ、Oちゃんのアジの干物がのっているところでも思い浮かべて
もう一度作ってみます。
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by katachi_web
| 2010-09-10 23:20
